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住宅会社のインスタグラム運用実態調査(72社) 6割弱の会社は成果感じられず

「Instagramをどう運用すればいいのかわからない」。取材などで住宅会社さまに話を聞いた際に、よく聞かれるこうした悩み…。今回、北海道・東北の住宅会社へのアンケートで得た72社からの回答をもとに、住宅会社さまのInstagram戦略の課題と対策を紹介します。

4社に3社以上が利用。しかし6割弱の会社は成果感じられず…

 日本語版のInstagram(インスタグラム)が始まったのは2014年2月。当初は若い女性を中心にブームとなり、12月にはtwitterの月間アクティブユーザー数を追い越し、2017年に「インスタ映え」が流行語大賞に。この頃から中高年や男性の利用も増え、企業も集客やブランディングなどのために投稿、広告などで活用し始めるようになりました。

 人気を集める投稿の種類も徐々に変わり、インスタ映えよりも「面白い」「情報収集になる」「役に立つ」内容を投稿するアカウントが主流に。2020年には短尺の動画「リール」動画もブームとなり、現在では日本人のおよそ4人に1人が利用する世代、性別を問わず利用されるメジャーなSNSの1つになっています。

 住宅業界でいえば子育て世代の女性の利用が多いことを踏まえ、2020年頃から熱心に取り組む企業が増え始め、現在は「ルームツアー」や「施工例写真」などを投稿したり、広告を積極的に活用する企業が目立っている印象があります。

●住宅会社の77.4%が運用中

72社のアンケート回答を見ると、77.4%の住宅会社さまがInstagramを運用しています。投稿頻度は週に1回以下が38.3%と最も多く、週に2~3回(31.7%)、週に4~5回(6.7%)と続いています。ほぼ毎日投稿という回答は3.3%と非常に少なく、ほとんど投稿していないという回答は20.0%。

●ルームツアーや広告への取り組みも

投稿内容は、グラフの通り。
自社の実績やデザインなどを示す「施工例」、集客・来場などに直接結びつけるための「イベント告知」、施工力などを示すための「現場レポート」などは、ホームページ、ブログでも従来から投稿している重要コンテンツであり、Instagramに流用できるので負担は少ないと考えられますが「ルームツアー」は、スマホ撮影、動画編集なども伴うので手間やコストをかけてでも実施したいという意識を感じます。

●成果を感じる会社は半数未満

Instagramに取り組んでいる住宅会社さまの57.6%は成果を感じられない、と回答。

そして課題として「担当が居ない」(16.0%)、「集客や問合せにつながらない」(13.5%)、フォロワーが増えない」(12.2%)、「見込客に届かない、同業者や知り合いのフォローが多い」(10.3%)などの回答がありました。

日頃から投稿コンテンツなど用意し課題克服

そもそも施工例も現場レポートもルームツアーも投稿できていない住宅会社がInstagramで集客を実現するのは困難。絵になる写真や動画を撮影する必要があり、それはInstagramのためというよりも、ホームページにも欠かせない要素です。日ごろから住宅をお引渡しするたびに、竣工写真と動画、建て主のインタビューを揃える習慣があれば、ホームページとInstagramの投稿頻度、クオリティの課題の大半は解決します。

Instagramは、画像やハッシュタグを少々工夫し、投稿頻度を増やしてみても、フォロワーも「いいね」もなかなか伸びません。フォロワーや「いいね」が増えないと、自社の投稿が拡散しないし、住宅会社の場合、自社から100キロ以上離れたエリアからの「いいね」や、同業者からのフォローばかりでは、見込み客獲得に全然貢献しないという課題に直面してしまいます。

そのため、打開策として利用されているのが「広告」です。
Instagram広告は、エリア、年代などを細かく限定でき1日500円など少額でも広告が出せるので、地域密着で、商圏も半径100キロ以内という住宅会社にとっては、非常に効果的に見込み客層に限定した広告を打てるという利点があります。

アンケート回答を見ると「月20万円以上」広告を投入している住宅会社が4.6%、「月10万円以上」も4.6%、「月5万円以上」も9.2%、そして30.8%が、見学会やモデルハウス、新商品のPRなどの際には広告をスポット的に投入しています。

当社が運用をサポートさせていただいた工務店さまでも、2ヵ月間で20個の投稿と12万円の広告を投入することで、2日間の完成現場見学会に40組の来場を成功させ、そのうち20組はInstagram経由だったというケースもあります。

クリックされやすい投稿と広告の組み合わせ、「いいね」されるだけでなく面談の機会を生み出せる投稿内容の構築など、住宅という商品の特性を踏まえた投稿と広告のコツを理解すれば打開することができます。

Instagramは、各アカウントの「いいね」や保存・コメントなどの多さなどの「エンゲージメント率」を個別判定し、発見タブなどに掲載するかを決めています。

そうしたインスタグラムのアルゴリズムを理解できると、「いいね」や保存、コメントなどをしてくれないフォロワーはむしろ削除したほうが良い、そしてフォロワーを増やすことに躍起になるのはむしろマイナスだということもわかります。こうしたノウハウも学び、住宅会社に適した手法を採用していきたいですね。

Web戦略は総合的に効率よく  
住宅会社は、Instagramだけでなくホームページやネット広告など様々なツールを効率的に運用したいはず。次の記事では、ホームページに関する課題も合わせて検証します。

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住宅会社にとってのWeb戦略について詳しく知りたい方は、こちらのページもご参照ください。
住宅会社のインターネット集客策とは?

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    栗原

    北海道住宅新聞社webメディア局マネジャー。札幌生まれ・浦河・旭川・北見育ち。編集プロダクションのライター・編集者を経て2008年に北海道住宅新聞社入社。各クライアントの魅力・特長を踏まえ、結果につながる記事、写真、サイト、動画、SNS、NET広告を展開するのが得意です。

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