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11月13~15日 直島、倉敷出張レポート

香川県・高松港で瀬戸内海とこれから乗る船をバックに

はじめに

代表の白井です。北海道はそろそろ雪の訪れを聞く季節になりました。そんなタイミングで瀬戸内の出張に行ってきたので、簡単にレポートしてみます。 マネージャーの栗原くんが入社前に直島、倉敷に行っており、自分もかねてから行ってみたいと思っていました。たまたま弊社も会員として参加している「アース21」という北海道内の有力工務店が集まる団体の周年事業として、けっこうな額の旅費補助をもらってツアーが組まれ、シノザキ建築事務所の篠崎さんから誘われたこともあり、行くことに決めました。篠崎さんは今回のコースの発案者で、幹事も務めてくださいました。

直島とは

このカボチャは数年前の台風?で破壊され、再建築だそう

瀬戸内海に浮かぶ島の1つで、古くは水軍(村上水軍ではない)の拠点のひとつ、その後は製塩業、明治以降は銅の精錬所が立地して栄えましたが、過疎の波にさらされます。福武書店がベネッセに衣替えした際の経営者・創業者福武總一郎氏が土地を買収して施設建設をプラン。その設計者として世界的建築家・安藤忠雄氏を口説き落とし、途中からは安藤氏も共鳴し、建築の新築、リノベなどが続きます。カボチャオブジェ(草間彌生氏)とか、地中美術館とかアートの島とかで、いまでは世界的に有名だそうです。

驚いたのは、平日だったこともあってか、見学者がわれわれを除くとほぼ外国人だったこと。モネの絵画とかもありますが、多くは安藤忠雄のファンが安藤建築を感じるために訪問しているように見えました。

安藤忠雄は壁際を延々と歩かせる

ボクは、実際の安藤忠雄作品は、札幌の北果楼本館(リノベ)と頭大仏(滝野霊園)、先日訪問した十和田市の図書館くらい、原寸モックアップとして光の教会(本物は大阪)を見ています。わりと好きです。

今回はたくさんの安藤忠雄作品に触れることができました。やはり素晴らしい建築空間、空間体験です。その建築体験が、やはり直島のハイライトだと思いました。

朝7時台、通勤客を乗せて直島の港に入港するフェリー

もうひとつは、離島体験です。ボクたちが乗った船は、四国・高松から30分、本州・宇野から15分という乗船時間でした。本州とも四国とも近い、頻繁に行き交うフェリーと朝フェリーで出勤してくる通勤者、外国人観光客の多さ。すべてが驚きでした。


最後に1つ、ベネッセ、正確には福武氏個人はとてつもないお金の使い方をしたもんだな、ということ。四国・鳴門市には(ポカリスウェットなどで有名な)大塚製薬の立派な美術館と迎賓館がありましたが、ベネッセのほうがすごそうです。

直島は、空間体験がメインなので、写真表現が難しいです。本州からもすぐなので、ぜひ行ってみてください。

倉敷とは

岡山県の県庁・岡山市から電車で10数分の倉敷市。江戸時代は幕府天領で、お殿様の代わりに代官所が置かれていて、そのエリアが米などが集まる蔵屋敷としていまに残っています。蔵屋敷からの倉敷、が由来らしいです。

大原家の座敷と庭園

企業(起業家)がまちづくりをしてしまう先例は、倉敷の大原氏によるクラボウ工場跡地、大原美術館などの一連の施設ということになるのでしょうか。こちらは街区としてしっくい塗りの古民家・商家建築が残されていてすごいのと、大原美術館のコレクションがすごいです。

白壁の景観地区は完全なる観光ショッピング街であり、観光客の多さなども含め鎌倉の小町通りと同じにおいがします。しかし、建築群としてヲタクには楽しい街並み空間体験です。

井上家の庭園

ボクは、大原家だけでなく300年前の商家・井上家もかけ足で見てきましたが、どちらも素晴らしかったです。大原家の庭園は、京都の寺院庭園のレベルのハイクオリティです。井上家は、商家として非常によく残っていて、素晴らしかったです。

さて、美術館ですが、大原美術館はコレクションがすごいです。モネ、ルノアール、ピカソ、岸田劉生・・。教科書で見る絵画(ホンモノ)がギッシリ展示されています。私設の美術館ですからね。大原さんはいったいどんだけ金使ったのかな。

街並みとしては女性が好きな感じ、男は建築を見たり、美術が好きなら美術館、備前焼、デニムなどなどございます。カップルで楽しめると思います。

最後に姫路城

時間のないなか、姫路城にも寄ってきました。ボクにとっては小学生時代、平成の大改修中の現場見学に次いで3回目の訪問になりました。いつ見ても巨大で、美しく、S造、RC造がない時代の木造巨大建築のつくり方がわかります。ここまでの城郭が残されていること、残そうとした人がいたことに、ボクたち日本人は感謝しなければならないと思います。まさに国宝です。

城好き・城ヲタの白井ですが、現存天守の中でも姫路城は別格です。そして、江戸城や大阪城の城郭はさらに大きかったはずですから、もし残っていたならと300年、400年前に思いをはせてしまいます。

最後に、今回の旅行企画と幹事、ツアーガイドまでやってくださった篠崎さんには、忙しい中、本当に頭の下がる思いです。事務局スタッフの松倉博樹さん(松倉建築設計)、吉川正彦さん(エコテック)も本当におつかれさまでした。そのことをここに記して旅行記を終えます。

白井康永

白井

運営責任者をしております。家づくりを変えたいという野望を持ち、iezoomや北海道住宅新聞を中心に、時代の激流にのみ込まれそうになりながら、それでもわれわれが日本を導くスピリットを大切にしています。時にひょうひょうと(笑)

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