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札幌近郊ニュータウンは新築と中古売り出しが続出中

毎年春になると小さいながらもソメイヨシノが花を咲かせます

こんにちは!ディレクターの松下です。私は札幌近郊の町に住んでいます。写真は自宅のウッドデッキ。広めの敷地に庭のある暮らしが楽しめる地域です。今日は私が実感している札幌近郊ニュータウンの実情について書いてみようと思います。

30年経ったニュータウンはここ数年で新しい家が建ち並んだ

手作りの庭も10年越しで花木が成長し、居心地の良い場所になった

ここは約30年前に造成されたニュータウン。造成当時は田舎ながらも土地の坪単価がお高めで、札幌市内の郊外にある高級住宅街と同じような街づくりを想定したものだったと思われますが、当初はなかなか家が建ちませんでした。

我が家がマイホームを取得したのは約15年前。土地の坪単価が半分に下がり、一般人が土地を取得して家を建てられる価格になった頃です。当時は建材・資材価格も安定しており、住宅建築費用も今よりずっとお安い時代で、子育て世帯が多く流入してきました。それでもタウン内の敷地にはたくさん空きがありました。数年後、そうした空き地には白樺や雑草が生い茂り、まるで小さな雑木林のような状態が続いていました。

ところがここ数年で、空いていた敷地は一気に埋まり、新しい家が建ち並んでいます。札幌市内の土地価格の高騰と土地不足の影響で、都市部からの流入が加速したのです。200坪台の広い敷地は分筆して3つに区画分けして売り出されました。それでも60坪以上あるのですから、十分と言えば十分です。

新しい家が建つ一方で家を売り出ていく人も

新たにマイホームを建てて住んでいるのは、これから子育て真っ盛りとなるファミリー世帯が多い印象。私が新築した頃も、タウン内には色んな幼稚園バスが行き交い、停留所になる家の前ではママたちが集まってはおしゃべりを楽しんでいました。近くに保育園もあるので、働くママたちはそこに子どもを預けて仕事をしていました。そんなふうに私も子育てをしてきて、周りはもう、みんな子どもたちが高校生以上、成人を迎える年頃になっています。

裏の仲良しさんから私に届いた黄色いお花
私から仲良しさんに届けた白バラ

ある日の事。裏の仲良しママの家と我が家の敷地の境界線調査をするとかで、不動産屋さんが訪れて敷地に入る許可を求めてきたのです。

「個人情報なので詳しくはいえませんが、敷地の状況を正式に把握するためにお願いにあがりました」

「え??」

仲良しさんにLineをすると、家を売り出す予定なのだそう。「ちゃんと決まってから話そうと思ってたんだよ、ごめんね」と仲良しさん。えーん、大ショック!!

庭先に出るとお互いに声を掛け合い、自宅で育てた花や野菜をやり取りしたり、柵越しにたわいもない話をしたり、家でお茶をしたり。年に数回は食事やお酒を飲みに出かける間柄だった仲良しさん。寂しくなるなんてものじゃありません。裏にこの人が住んでるということが安心感につながっていたし、子どもが小さい頃はお互いに助け合える、頼れる存在でした。老後もこうやって庭越しに話せたらな…なんて思っていたのです、勝手に。

今、中古住宅は「売り時」だった

彼女の家はコンパクトな洋風住宅で、子育てするにはちょうど良いサイズですが、彼女曰く、もっとゆったりとした住宅に住みたいと思い、手放して新たに家を建てる予定なのだそう。20代で限られた借り入れ予算で建てたので、理想の広さや間取りではなかったと言います。販売価格を聞いてみると、買った当初と同じか、それより少し高く売れそうだとか。それなら、新築の購入資金にもなるし、まだ若い夫婦なので、ローンも組むことが可能です。

考えてみるとこの数年でご近所の顔ぶれはガラッと変わりました。交通機関がバスしかないため、札幌の学校に通う子どもの通学が不便という理由も多く、我が家も漏れなくその苦労を味わっています。家族構成の変化や、こうした子どもの通学や通勤の都合に加え、土地価格の上昇で10数年落ちくらいまでの中古住宅は売り時であるという理由も大きいと感じています。

年に数回はデッキで焼き肉を楽しみます

「駅近」の物件が人気の理由はそこにあります。ですが、田舎でゆったりと子育てができた経験もまた財産です。日本人は土地や家に執着しがちだという説もありますが、ライフステージに合わせて、柔軟に住まいを変える時代が来ているように思いますし、自分もそれができたらいいなと思う今日この頃です。夫の説得は難しそうなので、あくまで妄想。そろそろまた雪道の通勤・通学が始まります。

松下

チーフ・ディレクターの松下です。20代に出版社勤務→子育て→古巣で住宅ライター→現在に至ります。空間づくりに興味があり、半年間家づくりの職業訓練を受けた経験があり、大工さんへのリスペクト大です。今のモットーは「できません」を言わないこと。まだまだ自分を諦めずに挑戦したいと思っています。仕事を通じて住宅会社さんや、これから家づくりを考えている方たちのお役に立てると嬉しいです。

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