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都市型のコンパクト住宅をどう差別化するか?

都市型のコンパクト住宅が増えています

スケルトン階段でつながるスキップフロアが家族をゆるやかにつなぐ

昨日は札幌の某住宅会社さん(A社)のモデルハウスを見学させていただく機会がありました。個人的には数十年のお付き合いのある会社さんで、歴代のモデルハウスを拝見してきましたが、スキップフロア+吹抜けの提案など、変わらず、明るく開放的な住空間が広がっていました。

しかし、10年前と変わっている点があります。それは家の規模感。以前は40坪前後で1階にも予備室がプランされていましたが、今回見学したモデルハウスは約33坪ほどです。そういわれてみて初めて気づくほど、居心地よく伸びやかな住まいでした。

30坪前後の建坪数というと、ここ札幌でも「小さい」「コンパクト」というイメージがありますが、ここ数年の地価・資材高騰の影響で、こうした規模の住宅が増えています。

コンパクト住宅をどう差別化していくか

A社の場合 吹き抜け+スキップフロア=開放感

住宅のコンパクト化は、これまであった予備室や収納など、広さで解決できた要素を諦めなければならない部分もあります。それを補うプランの工夫や、他社との差別化が必要になってきます。

A社さんは、スキップフロアや吹き抜けのプランが得意です。モデルハウスの間取りは常に子育て目線が第一。スキップフロアも子どもの様子が見守れる場所に設置します。そして、スキップフロアの床下を有効活用した収納をプランすることで、小さな家の収納問題も解決しています。

窓の配置にもこだわり、外からの視線や採光計画もばっちりです。リビングやキッチンの背面、各居室にはアクセントクロスで遊び心をプラス。オーナーも1000番台の豊富なデザイン・クロスの中から好みのものを選ぶ楽しさがあります。

B社の場合 低い天井+間接照明=居心地の良さ

こちらは別の住宅会社さん(B社)のモデルハウスです。敷地面積約34坪の土地に、延床面積が約27坪という「小さなお家」です。こちらはリビング。LDKの天井高を2100cmと通常より30cm下げたり、天井に照明を付けず、床や腰壁など低い位置に間接照明を施すことで、居心地の良い空間をつくっています。

また、庭に向かって3方向から窓を配していて、どこにいても外とのつながりが感じられます。外の視線をしっかり遮る木製のルーバーで囲まれた庭は、完全なプライベート・ガーデンになっていて、都会でもアウトドアが楽しめる暮らしを提案しています。

先日移動途中であまりにキレイで立ち寄ってしまったソメイヨシノ@琴似

都市部ではコンパクトであることが一般的になりつつある新築一戸建て。振りきったプランニングが暮らしのイメージにつながって、潜在顧客の心に響くかもしれません。未だかつてなかった物価高で色んな工夫が強いられていますが、工夫は新たな価値の創出にもつながります。モデルハウスに限らず、オーナーさんとの家づくりでも、様々なアイデアを発掘して挑戦していきたいですね。それではまた!

松下

チーフ・ディレクターの松下です。20代に出版社勤務→子育て→古巣で住宅ライター→現在に至ります。空間づくりに興味があり、半年間家づくりの職業訓練を受けた経験があり、大工さんへのリスペクト大です。今のモットーは「できません」を言わないこと。まだまだ自分を諦めずに挑戦したいと思っています。仕事を通じて住宅会社さんや、これから家づくりを考えている方たちのお役に立てると嬉しいです。

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