住宅会社のホームページ運用実態調査（72社）コンテンツに課題山積

前回の記事では、北海道・東北の住宅会社へのアンケートで得た回答をもとに、住宅会社さまのInstagram戦略の課題と対策を紹介しました。
→　住宅会社のインスタグラム運用実態調査（72社）　6割弱の会社は成果感じられず

住宅会社さまとのお話の中でInstagramのほかに、「ホームページを強化したつもりが結果が出ない」などホームページに関する悩みを耳にすることがあります。今回の記事では、北海道・東北の住宅会社へのアンケートで得た72社からの回答をもとに、住宅会社のWEB戦略の課題と対策を紹介します。

「問い合わせなし」が４割強。コンテンツの質・量とも不足がち

●住宅会社ホームページの変遷

多くの住宅会社が宣伝手法をチラシ、雑誌などから、自社ホームページやポータルサイトに切り替え始めたのが2010年頃。Google等の検索アルゴリズムの改善も進み、今や住宅会社のホームページは、家づくりのポリシーや特長、実績、人材、施主の声などが丁寧に表現され、適度な広告出稿もあれば問い合わせも増えますが、内容・説得力不足、デザインやスマホ対応などの不備などがあれば問い合わせはほとんど得られない状況になりました。現在の住宅会社はどのようにホームページ運営を行っているのでしょうか。

●低予算のサイト制作が多い

ホームページ運営に関しては62社が回答。63.2%が地元のホームページ制作会社に外注し、16.2%は道外・県外の企業に依頼。残りは自社、友人など。

また、外注費は200万円以上が18.6%、150万円以上が13.6%、100万円以上が20.3%、50万円以上が16.9%、50万円未満が30.5%となっています。

住宅会社がメイン顧客のWeb制作会社の制作費は、相場が170万円とも言われる中、100万円以下が多いのが北海道・東北の傾向といえそうですが、そうなると必要不可欠なコンテンツなどがそもそも揃っていないのではないかという疑問が湧いてきます。

●新築の問い合わせは月ゼロ件が最多

ホームページの問い合わせフォームから１ヵ月あたりどのくらい「新築」の問い合わせがあるかについては、次のグラフの通り。

月に０件が24社と圧倒的に多い。次いで月に１件が８社、月２件が６社と、２件以下が大半を占めています。これは迷惑メールや冷やかしのメールを除いた件数。なお月１件でも濃い問い合わせが来て、成約率も高ければ、会社規模によってはホームぺージが十分仕事をしているということになりますが、月０件ではホームページが機能していないのではないでしょうか。

「性能」「デザイン」のページは約７割が掲載

●「スタッフ紹介」「会社ヒストリー」ページがあるのは半数未満

ホームページは、質・量ともに中身の充実度が集客力や説得力に大きく影響するため、どんなページが揃っているかも調査。

62社が回答し、「性能」が69.4％、「デザイン」が67.7％、「サイト内ブログ」が56.5％、「施工事例（300文字＋写真５枚以上が10個以上）」が54.8％、「スタッフ紹介」が46.8％、「会社のヒストリー」が45.2％となりました。

いずれも住宅会社のホームページでは重要度の高いコンテンツですが、「スタッフ紹介」や「会社のヒストリー」は半数にも満たず、質・量の両面でコンテンツ不足になっているという問題を抱える住宅会社が多いといえます。

●更新・問い合わせ数などが課題に

自社ホームページの課題は何か、という設問については、「忙しくて更新・強化ができない」が21.9％、「問い合わせが少ない」が20.6％となったほか、「魅力的な写真を用意できていない」が11.3％、「社内に詳しい人材がいない」が10.6％、「コンテンツが整理されていない」が8.8％、「説得力のある文章が足りない」が8.1％など。ホームページ強化に必要なベースとなる項目に課題を抱える企業が多いことがわかります。

最初の一歩でつまずいている会社が目立つ

■課題をどうクリアするか？

創業者の志や品質向上に対するどのような努力をしたか、を結果だけでなくプロセスや想いも含めて表現する「会社のヒストリー」。いろんな建て主が家づくりでどのような想いをしたかを表現する「写真と記事」。設計・施工・営業のスタッフの仕事に対するスキルなどの力量が伝わる「スタッフ紹介」。見学会の案内や近況を示す「ブログ」。

そうしたコンテンツが充実していれば、ホームページとInstagramのどちらも当然充実し、集客力も説得力も増します。あとは動画や広告、SNS運用のテクニックを足せば結果は自然とついてくるはずですが、今回のアンケート結果を見る限り、コンテンツ充実という第１歩でつまずいている住宅会社が多いようです。